>>330
「地球は独裁制で、おまえが考えた事はすべての人間が命令に従がうが、月は議会制である。私はただの将軍であって、独裁者ではない。
地球が攻めてくるならば、抗戦する事を、月の全ての国家が決定したのだ」
イクナシオンは、笑った。
「ならばバルバス、今停戦を発令すれば、その場で、私はおまえをディアナ軍総司令官に任命する。月の軍隊は、おまえのものだ。
悪い話ではあるまい。考えてもみよ。我が軍の艦隊は三八六隻、宇宙戦闘機は四八〇〇機、・・・おまえの軍は、いったいどれだけなのだ?」
バルバスはスクリーンを睨みつけた。
「私は嘘は嫌いだ。艦隊はおまえの十分の一以下、戦闘機も二十分の一だ」
「フフフ・・・バルバス、やめておけ。物理的に計算しても、我が軍が四十隻失っても、おまえは全滅する」
バルバスは、「フッ」と、苦笑した。
「そうだな・・・おまえの言う通りだ・・・」
「おお、バルバス、同朋よ、理解してくれたか。では、停戦命令を出せ」
「分かった・・・」
バルバスは、立ち上がった。大声で怒鳴る。
「この通信の発信源を突き止めたか?」
司令室の部下に聞いた。
「発見しました!」
「よし、宇宙潜水艦隊に攻撃命令!」