子どもの国語力が落ちている要因として第一に挙げられるのは、子供たちが学校教育の中で触れるボキャブラリーの減少である。
一説によると、現在、小学校から大学の4年間を終えるまでに触れる日本語のボキャブラリーは、40年前のわずか3分の1程度と言われている。
これでは、長文や複雑な構成の文章の理解を苦手とする子供が増加するのも無理はない。
また、子どもたちの読解力低下に合わせて、教科書内容のレベルも落とされている。結果、公教育で得られる国語力は以前よりはるかに低い状況にある。

また、携帯電話やインターネットの普及も、子どもたちの国語力低下に拍車をかけている。
電子メールやSNS、インターネット掲示板といったツールでは、絵文字や顔文字、ネット用語などを挟んだ非常に短い文章でコミュニケーションが成立するため、文法や語法に注意し長文を構成する機会は乏しい。
こうしたWeb上のコミュニケーションに慣れた子供たちは論理的思考能力が備わらず、理解できない事項に対して「わかんない」、「めんどうくさい」といった言葉が口癖となり、考えることを放棄してしまう。
また、同じくWebツールの発達が要因となり、親世代の国語力も揺らいでいる。

さらに、子どもを取り巻く社会環境の変化も見逃せない。
国語力は他社との会話や触れ合いによって磨かれていくものである。親だけでなく兄弟や祖父母、地域の人々など多くの人間との関わりは国語力の豊かさと直結している。
しかし、核家族化や少子化、地域社会におけるコミュニケーションの希薄化が進んだ現代では、日頃子どもたちが関わる相手は限定的となっている。
このような社会の変容もまた、子供たちの国語離れを加速させていると言えよう。




私が調べた辞書によれば、状態とは「人や物事の、ある時点のありさま」、状況は「移り変わる物事の、その時々のありさま」と解説されていた。
これらの説明から判断するに、状態はある特定の対象に注目し、その有様を指す概念、状況はその環境、空間全体の有様を指す概念であると言えようか。