▼認知症女性、服に月50万…百貨店に返金命令

認知症の高齢者に対して、百貨店が大量に商品を売って裁判になるケースが各地で起きている。
今年4月には、女性客に4年半で約1100万円分の婦人服を売った東京都内の百貨店に対し、
東京地裁が、一部は認知症発症後の売買契約だったと認めて購入代金約240万円の返金を命じた。
百貨店側は「特定の病気の人にだけ販売を拒否することはできない」としているが、売り手の
姿勢が問われている。
訴えていたのは世田谷区の独り暮らしの女性(78)。渋谷区の東急百貨店東横店のブティックで、
2006年からの4年半に280点の婦人服を買っていた。
離れて暮らす弟(70)によると、10年6月、身内の葬儀に参列した女性の上着とスカートの
組み合わせがちぐはぐなことに気づき、自宅を訪ねると、「未開封のブラウスやジャケットが部屋中
にあふれていた。ぞっとする光景だった」という。
同年8月に出た病院の診断は「アルツハイマー型認知症で、発症から5年ほど経過」。
弟は同百貨店に事情を説明して商品を売らないよう頼んだが、同店は女性への販売を続けた。
弟は11年5月からは女性の成年後見人になり、12年2月、約1100万円の返金を求めて東京地裁に提訴した。
裁判で採用された証拠では、女性は毎週のように同百貨店を訪れ、ジャケットやコート、ブラウスなど
を多いときには月に50万円以上購入。
同じ商品を複数回買ったことも、店員からブティックに無関係の健康食品を2万円で買ったこともあった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130614-00000064-yom-soci