健美家 2018/09/16 配信
https://www.kenbiya.com/ar/ns/region/kyusyu/3348.html
https://www.kenbiya.com/news_img/13047-1.png
■九州大学・六本松キャンパス跡地に誕生した「六本松421」とは?
福岡市中央区六本松といえば、博多駅や天神駅などからもほど近く、かつては九州大学のキャンパスがあったことから、学生街として栄えていたエリアだ。
ところがいま、同エリアには多くの買い物客などが訪れるようになり、その景色は様変わりしているという。
そもそも「六本松」という地名は、かつて福岡城を目指す人々の目印であった六本の松が由来で、古くから交通の要衝として栄え、武士や町人が行き交う場所だったそうだ。
1921年には旧制福岡高等学校が設立され、後に九州大学・六本松キャンパスに変遷することで学生街として発展したが、同大学キャンパスは09年に西区に移転し、若者の街としての役目を終えてしまうことに……。学生や職員が姿を消すわけだから、エリアのあらゆる産業が大打撃を受けたことだろう。
ところが14年に状況は一変。なんと、JR九州が跡地2万1000uの土地を落札し、商業施設やマンションなどが入る2つの複合施設を建設する方針を示したのだ。
そして開発は進み、昨年9月には住所である六本松4丁目2番1号にちなんで商業施設の「六本松421」がオープン。延べ床面積は3万7000uで、1〜2階の商業エリアにはスーパーや飲食店、蔦屋書店、クリニックモールが入り、3階には九州大学法科大学院、3階〜6階には福岡市科学館、RFには屋上庭園がある。
隣接する「SJR六本松」は有料老人ホームで、道路を挟んで建つ「MJR六本松」は総戸数351戸のマンション。1階にはコンビニや銀行、飲食店がテナントとして入っている。
科学館は親子連れを中心に人気が高く、昨年10月に開館してから今年6月で来館者数100万人を突破したほどだ。運営主体のJR九州はこれと商業エリアで年間360万人ほどの来場を予想している。
■新たな商業施設により賃貸市場がV字回復!
こういった新たなランドマークの誕生は、六本松周辺の賃貸市場にとって追い風になったようだ。
九州大学のキャンパスがなくなり、同地の賃貸物件は借り手がつかず家賃の引き下げが相次ぎ、アパートを取り壊してコインパーキングなどに姿を変えるケースも目立った。
実際のところ、六本松の公示地価は08年に18万1000円/uだったのが、09年には17万1000円/u、10年には16万2000円/uまで下落している。
以降は20〜21万円台で推移していたが、14年に再開発が発表されると上昇に転じ、18年は30万4400円/uまでになった。
これに伴い賃貸相場も上昇し、この1年で平均5000円ほどの引き上げが見られている。中古マンション相場も同様で、1年前は平均で3000万円を切っていたのが、今年8月には3300万円を超えたというから驚きだ。
ここからわかるのは、再開発による魅力的な施設は、街のポテンシャルをプラスの方向に変えてくれるということだ。
六本松の場合、裁判所や検察庁、県弁護士会館も順次移転が始まっていて、20年度には同エリアを通る市営地下鉄七隈線が博多駅まで延伸するといった計画も。
さらに人が集まるので、今後も大家にとっては追い風が吹くだろう。街の計画に沿って土地や物件を仕込んでいくことが不動産投資家にとって、いかに重要かわかる事例と言えるだろう。
健美家編集部(協力:大正谷成晴)
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■九州大学・六本松キャンパス跡地に誕生した「六本松421」とは?
福岡市中央区六本松といえば、博多駅や天神駅などからもほど近く、かつては九州大学のキャンパスがあったことから、学生街として栄えていたエリアだ。
ところがいま、同エリアには多くの買い物客などが訪れるようになり、その景色は様変わりしているという。
そもそも「六本松」という地名は、かつて福岡城を目指す人々の目印であった六本の松が由来で、古くから交通の要衝として栄え、武士や町人が行き交う場所だったそうだ。
1921年には旧制福岡高等学校が設立され、後に九州大学・六本松キャンパスに変遷することで学生街として発展したが、同大学キャンパスは09年に西区に移転し、若者の街としての役目を終えてしまうことに……。学生や職員が姿を消すわけだから、エリアのあらゆる産業が大打撃を受けたことだろう。
ところが14年に状況は一変。なんと、JR九州が跡地2万1000uの土地を落札し、商業施設やマンションなどが入る2つの複合施設を建設する方針を示したのだ。
そして開発は進み、昨年9月には住所である六本松4丁目2番1号にちなんで商業施設の「六本松421」がオープン。延べ床面積は3万7000uで、1〜2階の商業エリアにはスーパーや飲食店、蔦屋書店、クリニックモールが入り、3階には九州大学法科大学院、3階〜6階には福岡市科学館、RFには屋上庭園がある。
隣接する「SJR六本松」は有料老人ホームで、道路を挟んで建つ「MJR六本松」は総戸数351戸のマンション。1階にはコンビニや銀行、飲食店がテナントとして入っている。
科学館は親子連れを中心に人気が高く、昨年10月に開館してから今年6月で来館者数100万人を突破したほどだ。運営主体のJR九州はこれと商業エリアで年間360万人ほどの来場を予想している。
■新たな商業施設により賃貸市場がV字回復!
こういった新たなランドマークの誕生は、六本松周辺の賃貸市場にとって追い風になったようだ。
九州大学のキャンパスがなくなり、同地の賃貸物件は借り手がつかず家賃の引き下げが相次ぎ、アパートを取り壊してコインパーキングなどに姿を変えるケースも目立った。
実際のところ、六本松の公示地価は08年に18万1000円/uだったのが、09年には17万1000円/u、10年には16万2000円/uまで下落している。
以降は20〜21万円台で推移していたが、14年に再開発が発表されると上昇に転じ、18年は30万4400円/uまでになった。
これに伴い賃貸相場も上昇し、この1年で平均5000円ほどの引き上げが見られている。中古マンション相場も同様で、1年前は平均で3000万円を切っていたのが、今年8月には3300万円を超えたというから驚きだ。
ここからわかるのは、再開発による魅力的な施設は、街のポテンシャルをプラスの方向に変えてくれるということだ。
六本松の場合、裁判所や検察庁、県弁護士会館も順次移転が始まっていて、20年度には同エリアを通る市営地下鉄七隈線が博多駅まで延伸するといった計画も。
さらに人が集まるので、今後も大家にとっては追い風が吹くだろう。街の計画に沿って土地や物件を仕込んでいくことが不動産投資家にとって、いかに重要かわかる事例と言えるだろう。
健美家編集部(協力:大正谷成晴)