[北京 10日 ロイター] - 中国国家統計局が10日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.2%の上昇と5カ月連続でプラスとなったものの、過去3カ月で最も低い伸びで5月の0.3%上昇から鈍化した。ロイター調査のエコノミスト予想の0.4%上昇も下回った。

内需がさえず、INGの大中華圏担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「軟調なインフレと弱い信用データは今後数カ月以内に追加金融緩和が実施される可能性を示している」と述べた。

前月比では0.2%下落、5月と予想は0.1%下落だった。

生産者物価指数(PPI)は前年比0.8%下落で、過去1年5カ月で最も小幅な下落だった。比較対象となる前年が低い水準だったことが主に影響した。5月は1.4%下落、予想は0.8%下落だった。

Risk of deflation persists in China
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政府はコロナ禍後の消費回復に力を入れているが、引く住宅不況や雇用不安などより根本的な問題に対する懸念が残っており、より効果的な政策を求める声が強まっている。

保銀投資(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「デフレのリスクは消えておらず、内需は依然低迷している」と指摘した。

食品価格は前年比2.1%下落で、悪天候に伴う供給混乱にもかかわらず、5月の2%から下げが拡大した。生鮮野菜の価格は7.3%下落。5月は2.3%下落だった。フルーツ価格の下落率は5月の6.7%から8.7%に拡大した。

<依然深刻な過剰生産能力問題>

キャピタル・エコノミクスのアシスタントエコノミスト、ガブリエル・ウン氏は「耐久消費財工場出荷価格の下落進行は、過剰な生産能力が依然として深刻な問題であることを示している」と指摘した。

その上で「政府の政策は依然として投資を優先しており、これは問題をさらに悪化させ、インフレの重石となり続けるだろう」と述べ、通年のCPI上昇率は0.5%にとどまり、政府目標の3%を大きく下回ると予想した。

統計局のデータによると、6月のガソリン価格の下落率は前月の5.2%から6%に加速。新エネルギー車価格の下落率も6.9%から7.4%に拡大した。

変動の激しい食品とエネルギー価格を除いた6月のコアインフレ率は0.6%で、5月から横ばいだった。

2024年7月10日午後 2:02
ロイター
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/4JHUZOQN2FKWRBIPMEHOLL5FB4-2024-07-10/