→1-3月期は前年同期比7.3%営業減益、エレキの損失拡大など響く
ソニーグループは28日、今期(2024年3月期)の連結営業利益が前期比3.2%減の1兆1700億円になるとの見通しを発表した。ブルームバーグが集計したアナリスト28人の予想平均1兆2661億円を下回った。
□6758:Tokyo 株価 - ソニーグループ - Bloomberg Markets
https://www.bloomberg.co.jp/quote/6758:JP
発表によると、ゲーム分野で増益を見込むものの、金融と半導体分野で減益を見込む。今期の想定為替レートは1ドル=130円前後、1ユーロ=138円前後とした。
□今期の業績予想
●売上高:前期比0.3%減の11兆5000億円-市場予想12兆2064億円
●営業利益:前期比3.2%減の1兆1700億円-市場予想1兆2661億円
●純利益:前期比10%減の8400億円-市場予想9362億円
ゲーム分野では、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」のハードの今期販売目標を歴代ゲーム機で過去最高となる2500万台に据えた。米ビデオゲーム会社バンジーなどの買収関連費用が前期に続き利益を圧迫するが、ハードの損益改善などを見込んだ。
4月1日に就任した十時裕樹社長兼最高執行責任者(COO)兼最高財務責任者(CFO)は会見で、PS5の今期販売目標について「十分達成可能なターゲット」だと述べた。
スマートフォン向け画像センサーが売り上げのほとんどを占める半導体分野では、減価償却費や研究開発費、製造コストが増加することなどで減益を見込む。十時氏はスマホ市場については、低迷が続く中国に加え、北米やアジア市場でも特に高価格帯製品が若干弱含んでいると指摘。「全体としてスマホ市場はあまり楽観できない。回復時期はもしかしたら24年度にずれこむかもしれない」との認識を示した。
□今期の事業別営業利益見通し
●ゲーム:2700億円(前期2500億円)
●音楽:2650億円(2631億円)
●映画:1200億円(1193億円)
●エレクトロニクス:1800億円(1795億円)
●半導体:2000億円(2122億円)
●金融:1800億円(2239億円)
また1-3月期の連結営業利益は前年同期比7.3%減の1285億円だった。半導体、音楽、映画分野が増益となったものの、エレキの損失拡大やゲーム分野の減益が響いた。
PS5の同期のハード販売台数は630万台、前期全体では1910万台となり、前期の販売目標1900万台をわずかに上回った。
□1-3月期の業績
●売上高:前年同期比35%増の3兆636億円-市場予想2兆9424億円
●営業利益:前年同期比7.3%減の1285億円-市場予想1237億円
●純利益:前年同期比15%増の1282億円-市場予想803億円
東洋証券の安田秀樹アナリストは、ハードの販売は会社計画に沿って増えているが、ソフトの販売が依然として弱く、PSユーザーが新しいソフトを買っていないことを示していると指摘した。
2023年4月28日 15:07 JST 更新日時 2023年4月28日 18:26 JST
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-04-28/RTSS73T1UM4O01