地域別の出荷額は前年同月比で9%増加した中国向けを除き前年実績を下回った。ただ、コロナ前の水準には満たないものの、サプライチェーンの正常化や各国の経済活動再開で、大幅に前年を下回っていた欧州や米州向けの出荷が回復に向かう。前年実績からの増減率での地域差は縮小しつつある。
製品別でも前年同月比31%減のアクチュエーターや同20%減のスイッチなどで前年実績を大幅に割り込んだが、全体として減少幅は落ち着きつつある。汎用部品であるコンデンサーや高速通信規格「5G」向けで需要の拡大が見込まれる高周波部品が2カ月連続で前年実績を上回るなど復調の兆しもある。
英調査会社オムディアの南川明シニアディレクターはコロナ前の水準まで戻るかは不透明としつつ「年の後半にかけてスマホの生産台数が増え、部品需要も回復傾向に向かう」と見込む。
今後の部品需要の動向は秋以降に発売される米アップルのiPhone(アイフォーン)を中心とした完成品の売れ行きが焦点となる。
2020/9/30 14:30
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64410490Q0A930C2X20000/