理化学研究所(理研)は、スーパーコンピュータ「富岳」を活用し、新型コロナウイルス感染症の治療薬の候補となりうる数十種類の物質を発見したと発表した。7月3日、オンラインで開催した「新型コロナウイルスの治療薬候補同定」の中間報告のなかで、理化学研究所 科技ハブ産連本部医科学イノベーションハブ推進プログム副プログラムディレクターであり、京都大学大学院医学研究科教授の奥野恭史氏が明らかにした。

 奥野教授は、「1つの標的タンパク質に対するすべての薬剤での評価が終了し、興味深い結果が出た。残り3つの標的タンパク質においても同様の評価をしたい」とする一方、「数千規模の化合物とタンパク質の作用(結合)過程を、分子動力学計算レベルで計算した事例は世界でもはじめてであり、学術的にインパクトがある」と発言。

 さらに、「今回の結合シミュレーションには約10日間を要したが、ソフトウェアのチューニングが富岳用にできていないかたちで実施したものである。チューニングができれば、将来的には2日程度で計算が完了すると考えている。1週間あれば、1万以上の薬剤が評価できるようになり、創薬の世界を大きく変えることができる」と述べた。
以下ソース
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1263445.html