ただ、多くのセクターで利益の大幅減少が見られ、新型コロナウイルス流行後の生産活動再開がなお容易でないことが示された。
中国は新型コロナの感染拡大防止策によって経済がほぼ停止状態に陥った後、徐々に活動を再開しているが、感染の第2波が懸念される中、回復はまだら模様となっている。
1─2月の工業部門企業利益は前年同期比38.3%減と、少なくとも10年ぶりの大幅減を記録していた。
1─3月の利益は前年比36.7%減の7814億5000万元となった。
3月は電子機器や飲料メーカーの利益が1─2月と比べてやや改善した。
調査対象41業種のうち利益が増加したのは8業種で、1─2月の4業種から増加した。
先進製造業のほか、民間小規模企業や外資系企業は利益の落ち込みが1─2月より小幅にとどまった。
ただ、統計局の当局者は、企業利益について楽観はまだ許されないとし、市場の需要は完全に回復しておらず、生産コストは比較的高水準にとどまっていると指摘した。
中国では第1・四半期の国内総生産(GDP)が少なくとも1992年以来のマイナス成長となったほか、3月の生産者物価指数(PPI)は5カ月ぶりの大幅低下となった。
INGの中華圏担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏は「海外からの需要が引き続き落ち込んでいる。これらの国は新型コロナで雇用市場や賃金の伸びが打撃を受けている」と指摘した。
その上で「工業部門企業利益は内需への依存が高まるが、国内の状況も海外よりはるかに良いわけではない」との見方を示した。
1─3月の国有工業部門企業の利益は前年比45.5%減。1─2月は32.9%減だった。
民間セクターの利益は1─3月に29.5%減少。1─2月の36.6%減から改善した。
3月末時点の工業部門の負債は前年比5.4%増加。2月末時点は5.3%増だった。
統計は主要事業の年間売上高が2000万元以上の大企業が対象。
2020年4月27日 / 13:40
ロイター
https://jp.reuters.com/article/china-economy-industrial-profits-idJPL3N2CF16Q?il=0