11日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前日比246円89銭(1.15%)高の2万1798円87銭で終えた。貿易問題を巡る米中協議が進展するとの見方から前日の米株式相場が上昇し、日本株にも買いが波及した。円安進行や香港・ハンセン指数の上昇も投資家心理を強気に傾けた。

トランプ米大統領が10日、同日開いた米中の閣僚級協議について記者団に「非常にうまくいった」と語ったと伝わった。ホワイトハウスはトランプ氏が中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相と11日午後(日本時間12日未明)に会談すると発表し、市場では部分合意など何らかの進展があるだろうとの期待が広がった。

外国為替市場では円相場が1ドル=108円台まで円安・ドル高が進み、輸送用機器や機械など輸出株の買いに弾みがついた。香港・ハンセン指数の大幅上昇も追い風となり、後場は上げ幅を260円超まで拡大した。市場では「東京市場が3連休中の米株式相場の上昇を見込んで、先物の売り方が買い戻しを進めた」(三浦豊・みずほ証券シニアテクニカルアナリスト)との声が聞かれた。

JPX日経インデックス400は続伸。終値は前日比131.03ポイント(0.93%)高の1万4269.83だった。東証株価指数(TOPIX)は3日ぶりに反発し、13.85ポイント(0.88%)高の1595.27で終えた。

東証1部の売買代金は概算で2兆1185億円と、8日ぶりに2兆円を超えた。株価指数オプション10月物などの特別清算指数(SQ)算出に絡んだ売買もあった。売買高は11億9714万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1231、値下がりは807、変わらずは115だった。

ファストリやファミマ、セブン&アイなど小売株の一角が大幅に上昇した。トヨタやホンダ、ソニーやパナソニックも高い。一方で花王や東宝が売られた。安川電やアドテストも安い。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2019/10/11 15:21
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_R11C19A0000000/