[北京 30日 ロイター] - 財新/マークイットが発表した9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.4と、昨年2月以来1年7カ月ぶりの高水準を記録した。生産と新規受注の増加を背景に、製造業の緩やかな回復を示す予想外の好内容だった。

PMIは8月の50.4から上昇し、景況拡大と悪化の分かれ目である50を2カ月連続で上回った。ロイター調査でエコノミストは50.2への低下を見込んでいた。

内需の回復が主導する形で景況が拡大していることが明らかになった。外需の動向を示す新規輸出受注は、米中貿易摩擦が続く中、4カ月連続で減少した。

外需が軟調な中でも新規受注は全体で増え、18カ月ぶりの高水準を付けた。生産も拡大し、昨年8月以来の高水準となった。

同日に中国国家統計局が発表した9月の製造業PMIは49.8と、8月の49.5から小幅上昇したものの、景況拡大と悪化の分かれ目となる50を5カ月連続で割り込んだ。

中国政府は約1年前から内需を喚起するため、インフラ支出を増やしてきた。ただ、目覚しい成果は出ていない。

CEBMグループのマクロ経済分析部門ディレクター、Zhong Zhengsheng氏は「中央政府の当局者らは最近、国内市場の強い成長を強調してきた」と指摘。

「インフラ建設の加速や工業部門の設備更新の広がり、税と手数料の引き下げが鈍い海外需要の影響を打ち消し、中国の経済成長への下押し圧力を和らげる公算が大きい」とした。

製造業PMIでは、生産活動が回復した一方で、企業が慎重姿勢を保っていることも明らかになった。

雇用指数は前月と変わらずで、6カ月連続で50を下回った。

投入価格が上昇し、11月以来の高水準を付けた一方で、販売価格は3カ月連続で下落。厳しい販売競争が利益率を引き続き圧迫している現状が浮き彫りとなった。

企業の景況感を示す指数は小幅に上昇したが、低水準にとどまった。米国との通商協議の先行きを巡る懸念を反映した。

2019年9月30日 / 12:34
ロイター
https://jp.reuters.com/article/china-caixin-pmi-idJPKBN1WF09B?il=0