日産自動車が14日17時半に2019年3月期連結決算を発表する。注目点は主に3つだ。

会見は横浜市の本社で17時半から開く。出席者は西川広人・社長兼最高経営責任者(CEO)と軽部博・最高財務責任者(CFO)。日経電子版では会見をライブ中継するとともに、経営者の発言もタイムライン形式で発信する。

■回復シナリオ示せるか

まず今後の業績回復シナリオを示せるかどうかだ。4月下旬に19年3月期連結業績を下方修正(純利益は57%減の3190億円)したが、世界の景況感は一段と悪化しており、20年3月期の業績も悪化する可能性が高い。達成が難しくなっている23年3月期まで6カ年の中計経営計画(売上高で16兆5000億円)の行方も含めて、収益力回復への具体策を示せるかがカギになる。

■どうなる仏ルノーとの統合案

次にルノーが日産に再提案したとされる経営統合スキームへの言及だ。日産側は反対の意向を示しているとみられ、三菱自動車も「3社に建設的な結果をもたらすとは考えにくい」との姿勢。連合内での不協和音は今後の成長戦略を描く上でリスクになりうる。市場は迅速な解決に向けた会社側の一挙手一投足を注視している。

■CASE対応待ったなし

CASE(つながる車、自動運転、シェアリング、電動化)という次世代技術への対応も不可欠だ。すでにトヨタ自動車はソフトバンクなどと提携。GMも自動走行のシェアリングサービスに資源をつぎ込む。外部との連携を含めたCASEへの具体策を示し、10年先の成長シナリオの説得力を出せるかが課題となる。

2019/5/14 14:37
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44711990T10C19A5000000/