全体としての残高が減らないだけで、国民個別の債権が返済されるのは、
人口が維持されている国だけだよ。

有り体に言えば、どこの国でも国債を支えるのは、
国民が老後の為に蓄積する金融資産。
この金融資産は老後に下ろされて使われてしまう。

普通の国、人口が増える国、維持される国なら、
高齢者が下ろして使う分以上に、若い人たち、現役世代が貯蓄をするので、
減る分を埋め合わせてくれる。
いわば公的債務をリレーのバトンのように、若い世代に受け渡し、
高齢者は債権の返済を受けて、自分の金融資産を使える。

ところが、日本の場合は少子高齢化で、人口が減少していくので、
高齢者が下ろす貯蓄額を、若い人たちが貯蓄する分で埋め合わせられず、
普通の国では成立する、世代間での公的債務をバトンとしたリレーが成立しない。

日本人はもうすぐ、このリレーが成立しないゾーンに追い込まれる。
団塊世代が後期高齢者入りする2025年以降、そこからが本当の地獄。