2018/12/7 5:03 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38657460X01C18A2000000/

【ワシントン=鳳山太成】米国の要請に応じてカナダ当局に逮捕された中国の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を巡り、ロイター通信は6日、違法な金融取引の疑いで捜査されていると報じた。イランとの金融取引を禁じた米国の制裁を回避するための仕組みづくりに関った疑いがあるという。

同通信によると、米当局は少なくとも2016年からファーウェイがイランとの違法取引に関わっていないか捜査してきた。英金融大手HSBCを通して違法取引を手掛けたとみている。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)はHSBCがファーウェイ関与の疑いのある取引を見つけ、米捜査当局に報告したと報じた。HSBCは情報提供で協力しており、今回の捜査対象には含まれていないという。

カナダ司法省によると、孟氏はバンクーバーで1日に逮捕された。米国当局から引き渡しを求められている。孟氏の要請を受け、詳細は控えるとしている。7日に保釈聴聞会を開く予定だ。中国政府は孟氏の即時釈放を求めている。

ファーウェイの問題は米中対立の新たな火種となっている。同社は中国最大の民営企業で、習近平(シー・ジンピン)指導部が進めるハイテク産業育成策「中国製造2025」で重要な役割を占める。米政権が米国企業との取引を規制する制裁を科せば、同社の経営には大きな打撃となる。