政府は、来年5月1日の皇太子さまの即位に伴う改元に先立ち、「平成」に代わる新たな元号を4月1日以降に公表する方向だ。新元号の事前公表に否定的な保守派の意見を踏まえ、新元号公表から改元までの期間をできるだけ短くすることにした。

 政府は改元に伴う官民のシステム改修にかかる期間を調べており、調査結果が出そろう年末にも、新元号の公表時期を最終判断する見通しだ。

 新元号の事前公表は、システム改修などの時間を確保することで、改元に伴う国民生活の混乱を避ける狙いがある。

 政府は5月、システム改修に「1か月程度は必要」(菅官房長官)とみて、新元号の公表を改元の1か月前と想定して準備作業を進める方針を確認した。来年2月24日の「天皇陛下ご在位三十年記念式典」の後、陛下の公務が落ち着いた時期に新元号を公表する段取りを模索していた。

 しかし、自民党内などの保守派は、天皇一代に元号一つを定める「一世一元」制を重視する。陛下の在位中に新元号を事前公表すれば、「平成」と新元号が並び立ち、「天皇の権威の二重化につながる」と反発していた。新元号は皇太子さまの即位後に公表すべきだとして、政府への働きかけを強めている。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20181204-OYT1T50132.html