【北京=原田逸策】中国税関総署が8日発表した2018年10月の貿易統計(ドル建て)によると、米国向けの輸出は前年同月比13%増の427億ドル(約4兆8千億円)だった。伸び率は9月(14%増)からやや鈍化した。米国からの輸入は同2%減の109億ドルと2カ月連続で前年同月の水準を下回った。

輸出から輸入を差し引いた貿易収支は317億ドルの黒字だった。黒字額は前年同月より19%増えたものの、過去最高だった9月からは減少した。

米中は7月からお互いに追加関税を発動しあった。9月下旬に米国は2千億ドル分の中国製品を対象に10%の追加関税をかけた。この関税は19年1月から25%に上がる。

米国向け輸出は4月から7カ月連続で前年同月を上回った。中国の輸出は価格に敏感な民間企業が主体だ。来年の関税再引き上げをにらんだ駆け込み輸出が続いている可能性がある。

一方、米国からの輸入は減少傾向が鮮明だ。輸入は中国共産党の意向を気にする国有企業の比率が高い。関税上げもあり、米国製品の輸入を敬遠している可能性がある。

2018/11/8 13:01
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37511370Y8A101C1EAF000/