【ソウル=山田健一】韓国サムスン電子の2018年通期の連結営業利益が、同社として初めて60兆ウォン(約6兆円)を超える見通しとなった。同社が31日発表した18年7〜9月期連結決算は、営業利益が前年同期比21%増の17兆5700億ウォン。1〜9月累計の営業利益は同25%増の48兆800億ウォンとなり、18年12月期に最高益を更新することが濃厚だ。

サムスンの連結営業利益は、17年12月期の53兆6500億ウォンが最高。今期はサーバーやスマートフォン(スマホ)にデータを一時保存するDRAMの成長が継続。韓国市場では、18年10〜12月期の営業利益は16兆〜17兆ウォンになるとの予想が大半で、2年続けて最高益になる公算が大きい。

18年7〜9月期の部門別業績は、主力の半導体の営業利益が13兆6500億ウォン。前年同期より37%増えて半導体部門としては8四半期連続で過去最高を更新した。サムスンは10〜12月期の半導体の収益は、7〜9月期の水準を下回るとの見通しを明らかにした。

自社製スマホを主体とする「IT&モバイル」部門の営業利益は、33%減の2兆2200億ウォンと苦戦した。同社は11日に背面に世界で初めて4つのカメラを搭載したスマホを発表。普及機の性能を高めて巻き返しを狙う。

有機ELパネルを製造するディスプレー部門の営業利益は1兆1000億ウォン。米アップルの新型スマホ向けの供給が本格的に始まったが、前年同期比の増益率は13%にとどまった。
2018/10/31 10:06
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37156040R31C18A0EAF000/