三越伊勢丹ホールディングス(HD)は26日、2019年9月30日に伊勢丹の相模原店(相模原市)と府中店(東京都府中市)を閉めると発表した。新潟三越伊勢丹が運営する新潟三越(新潟市)も20年3月22日に閉店する。業績不振が続く地方・郊外店を見直し、百貨店事業の収益を改善させる。

 相模原店は1990年、府中店は96年に開店した。2017年度の売上高はそれぞれ16年度比約5%減の195億円、同6%減の149億円。いずれもここ数年、売上高が前年度に比べ1〜2割減る状況が続いていた。府中店は閉店後に三越伊勢丹HDが運営する別の商業施設に転換することを視野に、地元自治体などと協議を始める。

 新潟三越は郊外型ショッピングセンターの台頭に伴う競争激化などで売り上げが減少し、赤字が続いていた。

 三越伊勢丹HDは主力の百貨店事業を中心に業績低迷が続き、事業構造改革を進めている。17年に三越千葉店(千葉市)、三越多摩センター店(東京都多摩市)、18年3月には伊勢丹松戸店(千葉県松戸市)を閉店した。大規模な早期退職を募集しており、高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」運営会社の株式の売却、アパレル子会社の清算といった不採算事業の整理にも乗り出している。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35760450W8A920C1EAF000/