電気自動車(EV)の充電時間を短縮でき、走行距離も伸ばせるとして注目される次世代電池「全固体電池」の世界市場が、17年後の2035年に2兆7877億円に拡大するとの予測を、調査会社の富士経済(東京)が13日までにまとめた。海外メーカー主導による21億円だった17年の1327倍に急成長する。

 全固体電池は正極、負極、電解質が全て固体のため、現在主流のリチウムイオン電池に比べ、液漏れの恐れがなく安全性が高いとされる。

 トヨタ自動車など国内の大手メーカーも開発を急いでおり、富士経済は「20年代にはEVに搭載されるとみられる」と指摘した。

 日本企業はリチウムイオン電池で韓国や中国のメーカーに押され、市場シェアは大幅に低下した。日本は産官学で次世代電池の開発を進めて巻き返したい考えだ。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月、トヨタや日産自動車、パナソニック、北海道大、東京工業大、九州大などと連携し、全固体電池の実用化に向け、基盤技術の開発に乗り出すと発表した。
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180915/bsa1809150500003-n1.htm