米アップルがスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の最新型を発表し、携帯電話大手3社は早速取り扱いを表明した。アイフォーンが日本で発売されて10年。絶大な人気でスマホ普及を先導した一方、敗れた国内メーカーは次々に撤退した。アイフォーンは携帯大手の稼ぎ頭に成長。巨人の出現で市場は一変した。

友情

 「感動と興奮を与える製品だ」。2008年7月11日、日本で初めてアイフォーンを発売したソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)の孫正義社長(当時)は胸を張った。アップル共同創業者の故スティーブ・ジョブズ氏と結んだ友情から独占販売が実現したとされる。

 音楽を持ち運び、パソコンのようにインターネットに接続できる画期的な端末は大ヒット。「ガラケー」と呼ばれる従来型携帯に代わり、スマホが広がるきっかけになった。ソフトバンクはアイフォーンを原動力に新規顧客の獲得に成功。KDDI(au)は11年、NTTドコモも13年に販売を開始した。アイフォーンの日本でのシェアは現在約5割で、世界でも有数の高さだ。

 追い込まれたのは国内メーカー。NECやパナソニックはスマホの波に乗れず、市場から退出した。「日本製品は高性能だったが、デザイン性や使いやすさで水をあけられた」(通信大手関係者)。
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