2022年度の暫定開業を目指す九州新幹線長崎ルート(博多―長崎)のうち、フル規格新線を建設中の武雄温泉(佐賀県)―長崎(66キロ)にレールを初めて敷設する作業が30日、佐賀県嬉野市の嬉野温泉駅(仮称)予定地付近で始まった。高架橋の建設は順調といい、開業に向けた工事が一歩前進することになる。

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敷設される長崎新幹線のレール(30日午前、佐賀県嬉野市)=塩山賢撮影

 この日は現場で記念式典が開かれ、大型の装置を使いレールが敷かれていった。装置のスタートボタンを押した嬉野市の村上大祐市長はあいさつで「念願の時が訪れ、感無量だ」と感慨深げに話した。式典には整備主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構や、工事を実施する「三軌建設」(福岡市)、地元自治体の関係者が出席した。

 敷設されるレールは25メートル換算で計1万700本。新日鉄住金八幡製鉄所(北九州市)で製造され、既に約2900本が嬉野市の軌道基地に運搬されたという。

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 長崎ルートを巡っては、国が開発を目指してきたフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の導入計画が頓挫。代替案の全線フル規格やミニ新幹線での整備案に関し、佐賀県が財政負担が増えるとして難色を示しており、与党の検討委員会は今夏の決着を持ち越した。〔共同〕

2018/8/30 10:58 (2018/8/30 11:48更新)
日本経済新聞
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