【シリコンバレー=佐藤浩実】米エヌビディアが16日発表した5〜7月の純利益は前年同期比89%増の11億100万ドル(約1221億円)だった。ゲームやデータセンター向けのGPU(画像処理半導体)が好調だった半面で、仮想通貨の採掘(マイニング)向けは大幅に減少した。仮想通貨相場が下落基調のため、8〜10月期も「マイニング向けは業績に貢献しない」との見方を示した。

 5〜7月期の売上高は40%増の31億2300万ドルだった。約6割を占めるゲーム向けが52%増、2割強を占めるデータセンター向けが83%増と大きく伸びたためだ。ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は「将来はすべてのサーバーが(GPUなどを利用して)計算処理を加速するようになる」と説明。今後もデータセンター向けの売り上げ拡大が続くと予想する。

 一方で、仮想通貨マイニング向けは事前予想に達しなかった。5〜7月は1億ドル規模の売上高があると見込んでいたが、実際は1800万ドルだったという。「今の仮想通貨の取引価格では新たに(マイニングに使うGPUに)投資をしても見合わない」(ファン氏)とみる。

 このため、8〜10月期の業績予想にはマイニング向けを織り込まなかった。同期間の売上高の見通しは32億5千万ドルと、前年同期を23%上回る水準。ただ事前の市場予想(33億3600万ドル)には届かず、16日の時間外取引で株価は一時6%近く下落した。
2018/8/17 8:51
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34251340X10C18A8000000/