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国においては、企業会計の考え方を活用して貸借対照表(バランスシート)を作成しており、
平成21年度末時点では、1,019兆円の負債に対し、647兆円の資産が存在しています。


しかしながら、これらの資産の大半は、性質上、直ちに売却して赤字国債・建設国債の返済に充てられるものでなく、
政府が保有する資産を売却すれば借金の返済は容易であるというのは誤りです。

代表的なものをご説明すると、
(1) 年金積立金の運用寄託金(121兆円)は、将来の年金給付のために積み立てられているもので、
赤字国債・建設国債の返済のために取り崩すことは困難です。

(2) 道路・堤防等の公共用財産については、例えば国道(63兆円)などや堤防等(67兆円)などとして
公共の用に供されているものであり、また、収益を生むわけでもないので、買い手はおらず、売却の対象とはなりません。

(3) 外貨証券(82兆円)や財政融資資金貸付金(139兆円)はFBや財投債という別の借金によって調達した資金を財源とした資産であり、
これらの借金の返済に充てられるものであるため、赤字国債・建設国債の返済に充てることはできません。
(※)
財投債:国債の一種で、財政融資資金貸付金の財源として発行され、償還は財政融資資金の貸付回収金などによって賄われるもの。
FB:国庫もしくは特別会計等の一時的な現金不足を補うために、国が発行する短期の資金繰り債。政府短期証券(Financing Bill)の略称。

(4) 出資金(58兆円)は、その大部分が独立行政法人、国立大学法人、国際機関等に対するもので、これらに対する出資は、
そもそも市場で売買される対象ではありません。


https://www.mof.go.jp/faq/seimu/03.htm