>>912
>特に幕末の人間が学んだ教えは「実行の伴わない空論はまったく意味がない」という点で
>共通している。

陽明学は明治維新以降の西欧化の流れで武士道を180度方向転換しその死生観や、行動規範を再解釈した

明治維新(吉田松蔭と長州志士、西郷隆盛、その他諸藩志士)
武士道の死生観を説明するための陽明学
明治〜太正期までの国民の精神修養と行動規範としての陽明学
安岡正篤・渋沢栄吉の経世済民、銭の陽明学
三島由紀夫の死の美学の陽明学
北一輝、四元義隆等の法華経をミクスした社会正義行動派陽明学

他にも皇道派団体に所属した牧口常三郎(創価学会初代会長)や、陽明学に影響を受けた生長の家の谷口雅春がいる

安岡正篤は陽明学では極めて珍しく仲間(四元等)を裏切って(密告して)おり、信念のないビジネスゼミ屋と
批判されることがある

陽明学の欠点で良く取り上げられるものは精神主義だ
精神主義が銃剣突撃という極めて死傷率の高い戦術を行うために悪用されたというのが批判の一端だ

国家権力が武士道の死生観として悪用することの弊害は実証されているように言うものが多くいるが、
陽明学は命令されて殺されに行くような従順な人間のための学問ではない
良心から生まれる正義以外の動機のために行動をおこす教理は、ビスマルク式国家主義者が発明した異端の陽明学にすぎない

陽明学は宗教としての意義を失ってから久しく、近代以降は魂の存在、もしくは神仏の存在を信仰するものが使うための
行動理論とするときが最も力を得る

その信仰によって正義のために死を恐れない強固な意志が育てられるからだ
個人レベルでの勝ち負けを考慮せず、生命を賭して悪党に虐待・搾取される弱者を救い、社会の不正を正すことが
陽明学の最終目標となったといっても過言ではない

宗教としての儒教は消え、神儒仏の三大宗教から、神仏+その他に移行し、戦後は文化・風習として残滓をのこすが、
陽明学は内面の良心に従って正義を行うに至るための実践思想であり、教育の場から除外されれば一文化として残るようなしろものではない
戦後の経済発展により国民生活が豊かになり一旦滅びたと考えて良い

しかし現状では日本の経済競争力は苦境に立たされており、有効な手立てである解雇規制撤廃も労組等の
既得権益団体の反対で行うことができず、陽明学は急速に復活しつつある