https://jp.reuters.com/article/dollar-rate-column-idJPKCN1II045

2018年5月17日 / 04:15 / 1日前
Jamie McGeever

[ロンドン 16日 ロイター] - 米国債市場は転換点に差し掛かっている。10年債り利回りははっきりと3%を超え、借り入れコスト上昇局面の長期化が見えてきた。

こうした状況がドルを年初来高値へと押し上げ、ドル高も持続して世界の金融環境にとっては二重の意味で引き締まる恐れが出ている。新興国を中心に世界全体では数兆ドルものドル建て債が存在し、それは米国債利回りとドルの動きとつながっているからだ。

米国債利回りとドルの上昇が定着するかどうかは、ヘッジファンドとその他投機筋の次の行動に左右されるのかもしれない。2008年の金融危機以降の10年間で、投機筋のポジションの転換点と、米国債およびドルの転換点にはかなり強い相関関係が見受けられる。

この相関関係が現在も有効であるなら、ドルは堅調が続く可能性がる。ただし米国債利回りの方向はやや不透明だ。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、4月終盤のヘッジファンドとその他投機筋の米10年債の売り持ち規模と、ユーロの買い持ち規模はいずれも過去最大で、ドル売り持ちは7年ぶりの大きさだった。

彼らはそうしたポジションの巻き戻しを始めており、ユーロは対ドルで既に約5%下落した一方、米10年債利回りは3%を上抜けるのに苦労してきた。

まずは米国債の話からだ。利回り上昇は、年金基金や保険会社、マルチ資産運用会社、外貨準備運用担当者などさまざまな投資家層からの資金を呼び込むだろう。それらの資金流入は、利回り押し下げ要因となる。
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