日本経済新聞 2018/5/16 17:35
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30582950W8A510C1XA0000/

 日本産業機械工業会(東京・港)が16日発表した2017年度の産業機械受注額は、16年度比3.3%減の
4兆9283億円だった。3年連続のマイナスで、13年度以来4年ぶりに5兆円を割り込んだ。環境規制の強化により
火力発電所向けのボイラーや原動機などの受注が落ち込んだ。

 需要部門別では電力が大きな割合を占める非製造業向けが9.8%減の1兆1755億円と、16年度に続き2年連続で
1割近く減少した。機種別でも発電に使われるボイラー・原動機の落ち込みが大きく、17年度累計の受注額は
21.4%減の1兆3582億円にとどまった。特に外需(輸出)は不振が際立ち、ボイラー・原動機の輸出契約額は
49.8%減の2625億円にとどまった。

 環境規制の強化や温暖化ガス排出に対する懸念の高まりを受け、石炭をはじめ化石燃料を使った火力発電は
世界的な不振が目立つ。世界大手の一角の三菱重工業が火力発電機器事業で人員削減を打ち出すなど
各社が対策を急いでおり、発電機器市場に吹く逆風が統計からも裏付けられた。

 一方、製造業向けは堅調だった。人手不足を背景とした自動化投資などにより需要が拡大した運搬機械は、
14.4%増の4363億円。プラスチック加工機械も32.2%増の2743億円だった。

 同工業会が同日発表した3月の産業機械受注額は19.3%減の6638億円だった。非製造業向けが34.9%減の
1643億円と引き続き軟調。製造業向けも前年にあったボイラー・原動機の大型受注の反動で11.2%減の
1438億円と減少した。