日本経済新聞 2018/5/16 7:16
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30567420W8A510C1000000/

 【ニューヨーク=大塚節雄】15日午後のニューヨーク債券市場で米長期金利の上昇(債券価格の下落)が
加速した。指標の米10年物国債利回りは一時3.09%をつけ、2011年7月以来、6年10カ月ぶりの
高い水準を更新した。米統計で順調な景気拡大が示され、米利上げが加速するとの思惑が強まった。
米長期金利の上昇は、ドル高や米株安につながった。

 外国為替市場では内外金利差が広がったことからドルの上昇圧力が強まり、主要通貨への強さを示す
ドル指数(実効為替レート)が一時約5カ月ぶりの高水準をつけた。米株式市場では金利上昇やドル高で
ダウ工業株30種平均が9日ぶりに下落。終値は前日比193ドル(0.8%)安の2万4706ドル41セントだった。

 米長期金利は4月下旬に4年3カ月ぶりに3%台に乗せたあと、いったん上昇が一服していた。
15日は消費の強さを示した4月の米小売売上高などの統計発表を受けて13〜14年の上限だった
3.05%前後を抜けると、米国債の買い手からの処分売りがかさみ、債券価格の下落が加速した。

 ニューヨーク原油先物相場で指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート、期近物)は
一時1バレル71.92ドルと約3年半ぶりの高値をつけた。朝方に中東情勢への懸念を背景に買いが膨らんだ。
その後はドル高が進んだことからドル建てで取引される原油の割高感が強まり、売りに押され伸び悩んだ。

 金先物相場は取引の中心が1トロイオンス1300ドル台を割り込み、約5カ月半ぶりの安値をつける場面があった。