自動車メーカーのSUBARUが、車の出荷前の検査や燃費と排ガスの検査で不正を繰り返していた問題で、国土交通省は16日午前、本社に立ち入り検査に入りました。一連の問題で本社の立ち入り検査は初めてで、幹部への聞き取りなどを通じて不正の背景にある構造的な問題の解明を進めることにしています。

東京 渋谷区にあるSUBARUの本社では、午前10時すぎ、国土交通省の職員7人が中に入りました。

SUBARUでは、国に義務づけられた車の出荷前の検査を資格のない従業員が行うなどの不正を繰り返していたうえ、その後の調査の過程で燃費と排ガスの数値を確認する検査でもおよそ900件にのぼるデータの改ざんが行われていたことが明らかになりました。

会社側が国に提出した調査報告書では、検査の重要性が経営陣から現場に至るまで十分に理解されず、自覚が乏しかったとして、企業風土の問題点が指摘されました。

このため、国土交通省は一連の不正の発覚後初めて本社の立ち入り検査を行ったもので、検査では社長など幹部への聞き取りや関係書類の提出などを通じて、不正がなぜ広がったのか、背景にある構造的な問題について解明を進める方針です。

SUBARU「心よりおわび」
本社に立ち入り検査が入ったことを受けて、SUBARUは「一連の問題でお客様などに多大なるご心配とご迷惑をおかけし、心よりおわびします。再発防止策を徹底的に遂行するとともに、原因となった企業体質の改善に向けて、全力を尽くしてまいります」とコメントしています。
5月16日 10時44分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180516/k10011440111000.html