サントリーホールディングス傘下のサントリースピリッツが、主力国産ウイスキー2品種の販売を休止することが15日、わかった。6月から「白州12年」、9月ごろから「響17年」の出荷を休止する。同社はウイスキー需要低迷のため、2000年代初めには、原酒の仕込みを減らしていたが、その後、ウイスキー需要が急拡大し原酒不足に陥った。

 同社で、原酒不足によるウイスキーの販売休止は平成28年4月の「角瓶〈黒43度〉」以来となる。原酒不足対策として白州蒸留所(山梨県北杜市)などで蒸留釜を増やしたほか、熟成させるたるの貯蔵庫を増やす計画を打ち出すなど、増産に乗り出している。しかし、熟成には10年以上が必要なため、現時点では販売再開のめどはたっていないという。

 20年ごろ国内ではハイボールブームによって、それまで焼酎類などに押されてきたウイスキー需要が急回復。ここ数年は、日本産ウイスキーが国際的な品評会で受賞するなど、世界的に評価が高まって、内外での需要が急拡大した。さらに新興国での高級ウイスキーニーズが高まったことも原酒不足に拍車をかけた。
https://www.sankei.com/economy/news/180515/ecn1805150033-n1.html