「15歳起業の」若手実業家が立ち上げる運賃無料“タクシー”の運行会社「nommoc(ノモック、福岡市)」による株式投資型クラウドファンディングでの資金調達が、開始からわずか4分30秒という過去最速で完了したことが13日、分かった。

今回の資金調達は、日本クラウドキャピタルが運営する株式投資型クラウドファンディングサービスの「FUNDINNO(ファンディーノ)」で8日夜募集が開示され、12日夜に行われた。

ノモックは、最年少社長として大型イベントなどでの映像演出を手がける「セブンセンス」を設立した吉田拓巳氏(22)が、平成31年3月から手がける日本初の無料配車・運行サービスということで注目を集め、募集開始から4分30秒で調達目標額の上限に達した。目標の下限の1600万円にはわずか52秒だった。個人投資家の一人当たり投資額は50万円まで。

株式投資型クラウドファンデイングは、インターネットで未公開株を取引する資金調達手法で、日本国内では昨年4月にスタートし、サービス会社として3社が参入。日本クラウドキャピタルはその第1号で募集取扱件数は最多だが、「今回の案件は過去最速での調達完了」(同社の大浦学COO)という。

ノモックの運賃無料“タクシー”サービスは、利用者が専用のアプリを使って配車を受け、車内のディスプレーに利用者の好みや行動パターンに合わせた店やファッション、商品などの情報が流される。走る広告塔として、運賃に当たる運行コストは広告のスポンサーが負担する仕組み。

社名と同じサービス名で、コンパクトシティーである福岡市天神を中心に10台ほどでスタートし、東京五輪・パラリンピックが開催される2020(平成32)年をめどに、東京など主要都市での展開を目指す。その後、シンガポールなどの海外市場にも進出する計画だ。
2018.5.13 09:09
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180513/bsa1805130909001-n1.htm