この極薄太陽電池は3マイクロメートル、太陽電池素材の実用化の目安と言われる10%のエネルギー変換効率があり、髪の毛の太さ(50〜100マイクロメートル)の約30分の1の薄さなのでシャツに貼り付けてもほとんど違和感がない。耐熱性は100度で、アイロンによる貼り付けも可能になった。
低コストでフレキシブルな有機太陽電池の研究で世界をリードしてきた理研の染谷隆夫・主任研究員のチームは、材料面で東レと連携。新たに開発した半導体ポリマーを使うことで、熱にも強い新電池の開発に成功した。染谷主任研究員は「この新電池を使えば、スマホや音楽プレイヤーなどの携帯型のガジェットも電池を気にせず使えるようになる。さらに言えば、今後ウエアは “着るコンピューター”になる。この貼付け型の太陽電池は、その実用化の大きな後押しになる」と語った。すでに国内外のアパレル企業と接触しており、「かなり大きな関心を持っている」と語る。
一方、東レは自社開発のスマートテキスタイルを使ったスマートアパレルプロジェクト「ヒトエ(HITOE)」と連携させることも検討しており、「ヒトエ」で培ったノウハウを使い、電源とウエアを一体化した開発も急ぐ。
同研究は米国の研究誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」にも掲載予定。
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