任天堂は家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」関連でスタートアップと協業する。米ベンチャーキャピタル(VC)と組み、スイッチの機能を拡張する技術などを公募する。ゲーム機の開発環境を開放し、新技術を取り込む狙い。これまで同社のゲーム機開発は社内や長年取引のある企業との間で完結することが多かった。

任天堂は米国に拠点を置く日系VC、スクラムベンチャーズ(サンフランシスコ)に技術の公募や選考を依頼した。大学や企業内の研究機関も対象で、ソフトウエアから装置関連まで幅広い技術を募る。ただ両社とも応募した企業には出資しない。

 6月9日までアイデアの提案を受け付ける。1次選考を通過した企業などは、任天堂の技術者の助言を受けて技術を煮詰め、今秋の最終選考に臨む。任天堂は2017年3月のスイッチ発売直後から米VCとの協業を模索していたとみられる。

 これまで任天堂は新興企業がスイッチ向けにゲームソフトを開発しやすい環境を整備してきた。幅広いソフトウエアでゲームソフトを開発できるようにしたり、新興メーカー専用の「開発キット」を提供したりした。ソフトやゲーム機の機能の幅を広げて利用者を飽きづらくし、ゲーム機の寿命を長続きさせる狙いだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29403720U8A410C1000000/