インターネット通販大手アマゾン・コムが学生向けに月額200円の会員プランを始めた。4月の新生活をきっかけにサービスの利用を始めてもらい、息の長い顧客として囲い込む。商品の配送料が一部無料となるほか映画やテレビ番組も見放題となる。ライバル関係にある動画配信専業の脅威になりそうだ。

サービス名は「プライム・スチューデント」。これまでは年会費1900円だったが新たに月額プランも用意し、手軽に試してもらう。大学、大学院、短期大学、専門学校と高等専門学校の学生が対象で、登録には学籍番号などが必要だ。

半年間の無料体験期間も設けた。その期間中は動画を無料で視聴できる「プライム・ビデオ」のサービスは受けられないが、有料会員に移行すると「プライム・ビデオ」も使えるようになる。

ICT総研(東京)のアンケートによると、定額動画配信の利用者が主に使っているサービス名(複数回答)はアマゾンのプライム・ビデオが68%で首位。日本テレビ放送網傘下の「Hulu(フールー)」が25%、NTTドコモの「dTV(ディーティービー)」が16%、「ネットフリックス」が14%と続いた。

ICT総研の担当者は「アマゾンは通販の利用を目的に会員になった人が動画も視聴しているため利用者が多いのではないか」と指摘した。プライム・ビデオを実質無料にして通販拡大を狙う戦略が当たれば、動画配信でさらにシェアが拡大しそうだ。
2018.4.5 05:57
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180405/bsj1804050500003-n1.htm