テレビを視聴できるワンセグ機能付き携帯電話の所有者がNHK受信料を支払うべきかどうかが争われた2件の訴訟の控訴審で、東京高裁(大段亨裁判長、白石史子裁判長)は22日、所有者の支払い義務を認める判決をそれぞれ言い渡した。

家にテレビのない人がワンセグ携帯の受信料を支払うべきかどうかについては、地裁・支部で判断が分かれていた。この日の判決は、同種訴訟で初の高裁判断となる。

判決によると、テレビのない茨城県の男性(51)と千葉県の男性(65)は2015〜16年、NHK側から「ワンセグ携帯のみでも受信料を支払う義務がある」と説明されて受信料を支払ったが、その後、受信料の返還を求めて提訴した。

放送法は「NHK放送を受信できる設備を設置した者は、NHKと受信契約をしなければならない」と規定。原告の2人は「持ち運びができるワンセグ携帯を所有しても『設置』にはあたらない」などと主張したが、判決はいずれも、「『設置』は『NHK放送を受信可能な状態に置くこと』を意味しており、ワンセグ携帯の所有は受信設備の『設置』にあたる」などとして退けた。

1審・水戸地裁、千葉地裁松戸支部両判決はいずれもNHK勝訴を言い渡していた。NHK広報局は「妥当な判決」としている。
2018年03月22日 22時39分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180322-OYT1T50103.html