日本工作機械工業会(東京・港)が20日発表した1月の工作機械受注額(確報値)は前年同月比48.8%増の1543億9100万円だった。14カ月連続で前年実績を上回り、1月としては過去最高だった。単月としても過去3番目の高水準だった。国内外で旺盛な需要が続いている。ただ部材調達難は深刻化しており、好調な受注に水をさしかねない。

 好不況の目安とされる1000億円を15カ月連続で上回った。受注額のうち外需は49.7%増の987億8300万円で、単月としては過去3番目だった。

 地域別では中国向けが68.4%増の348億4400万円。スマートフォン(スマホ)など電子機器の受託製造サービス(EMS)関連の受注が縮小したものの、自動車向けが増加して補った。

 欧州は48.6%増の215億7900万円、北米は39.6%増の234億8000万円と軒並み好調を維持した。内需も自動車や半導体関連を中心に堅調で、47.3%増の556億800万円だった。先進各国でも投資意欲は衰えていない。

 活況の裏で工作機械に使われる「リニアガイド」や「ボールねじ」といった重要部品の一部で納期が1年にもなるなど調達難が深刻化している。

 20日、東京都内で記者会見した同工業会の飯村幸生会長(東芝機械会長)は「18年の中ごろまでには正常化してほしいが。(調達難が)いつ解消されるか予想するのは難しい」と指摘した。

 納期の長期化を見越した先行発注の増加も懸念されており、部品供給が業界のアキレスけんとなっている。

2018/2/20 15:30
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27138080Q8A220C1XA0000/