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「今起きているのは、ユーザーエクスペリエンスの革命なんです。スマートフォンの登場で携帯電話業界が一変したような」――。

そう力説するのは、NTTドコモ在籍時に「iモード」など数々のサービスを立ち上げ、現在は慶應大学で教鞭をとり、IT企業の取締役としても活躍する夏野剛氏だ。「これまでクルマに興味がなかった」と語る夏野氏だが、電気自動車(EV)の登場によって、その認識は大きく変化したという。

IT技術に造詣の深い夏野氏を魅了したEVの特性とはどのようなものなのだろうか。また、7年ぶりにフルモデルチェンジしたEVの新型「日産リーフ」に期待するのはどのような部分なのだろうか。夏野氏に話を聞いた。

―夏野さんは、EVのどのような部分に魅力を感じていらっしゃいますか?

夏野剛氏(以下、夏野):EVはこれまでのガソリン車はもちろんハイブリッド車ともまったく違う乗り物になっているといえるでしょう。

私は、EVのメリットとしては第一に、その静粛性が挙げられます。ガソリン車は「燃費最優先」で作られているため、例えハイブリッド車であっても運転していると「えっ、こんな低速なのにエンジンかかっちゃうの?」というところでエンジンがかかってしまうことがある。せっかくのハイブリッド車なのに、静音走行している時間が非常に短いのは、おそらく燃費を最優先する構造になっているからだと思います。

それに対して、EVはどこまでいっても静粛なんです。静粛なクルマがいかに快適かというのは、乗ってみないと分からないのではないでしょうか。信号で停止した状態から加速する時に何も音がしない。ガソリン車の「ブーン!」という音がないことが当たり前になってしまうと、もうガソリン車に戻れません。

私はクルマを2台もっていて、1台はEVでもう1台はガソリン車なのですが、ガソリン車を運転してエンジン音を聞くと、「20世紀のクルマに乗っているな」と感じてしまいますね。

―ユーザーインターフェースが変化している点もEVの大きな特徴の一つですね。

夏野:EVでは電子制御が当たり前になっているので、エアコンやオーディオなどユーザーインターフェースがすべてデジタル化しています。私はテスラに乗っているのですが、この会議室からアプリを使ってドアを開けたり、空調温度を調整したり、充電状況を確認することが出来ます。

新型「日産リーフ」もアマゾンのアレクサと連携することで、非常に便利になっていると思います。我が家はアレクサが来て、革命的に便利になったので、アレクサと連携しているのであれば、2台目を新型「日産リーフ」にしてもいいと思いますね。

ボタン一つで駐車が可能な自動駐車機能がありますし、高速道路では、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動で制御してくれる自動運転技術「プロパイロット」もあるので、ストレスが大幅に軽減されるのも魅力です。

―「EVに乗る」というのは、これまでのクルマの運転とはまったく異なる体験なんですね。

夏野:そうですね。試乗してみるとわかることも多いと思いますよ。

例えば、皆さんが心配されているより充電ステーションに困ることはないと思います。新しいビルにはほぼ充電設備が入っていますし、無料のところも多いです。高速道路でもほとんどのサービスエリア、パーキングエリアに充電器があるので、心配することはないでしょう。
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