ソニーは11日、犬型の家庭用ロボット「aibo(アイボ)」を発売した。15万台を販売した初代アイボの生産を2006年に中止して以来、12年ぶりの復活となる。発表した17年11月から3度受け付けた先行予約がすべて1時間以内に完売するなど滑り出しは好調だ。海外展開も視野に入れており、ソニー復活の象徴となるか、注目を集めている。

「ワン」という犬の鳴き声と掛けた戌(いぬ)年1月11日の今日、11時1分から本社(東京・港)で発売を記念するイベントを開いた。開発を主導した川西泉執行役員は「ソニーで唯一、能動的に寄り添うロボット。犬と同様、愛情を注いだ人にほどなつく」と語った。犬らしい動きを追求。お手の求めに応えたり、腰を振ったり首をかしげたりするほか「ワン、ワン」や「クーン、クーン」と鳴きもする。

 搭載した人工知能(AI)で頻繁に構ってくれる人を認識して成長。腰や首、手足を動かした時に飼い主の反応などのデータをカメラで収集、動きに反映する。登壇した購入者の山下敬さん(43)は「愛くるしい。大事に育て成長過程を楽しみたい」と喜んだ。価格は税別19万8000円で海外展開も視野に入れる。

 新型アイボは16年に開発に着手した。有機ELパネルを使った瞳で豊かな表情を作り出す。イベントに参加した購入者の夫婦は「初めてのアイボ。今年は銀婚式なのでその記念にする」と嬉しそうに語った。

 初代アイボは累計で15万台以上を発売した。生産中止後に「葬式」まで開かれた初代アイボのような「愛犬」となれるか、期待は高まる。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25540780R10C18A1MM0000/