韓国サムスン電子が9日発表した2017年12月期の連結営業利益の速報値は、53兆6000億ウォン(約5兆6800億円)と前の期に比べて83%増えた。主力の半導体メモリーがけん引し、4年ぶりに過去最高益を更新した。スマートフォン(スマホ)事業も堅調に推移。売上高は前の期比19%増の239兆ウォンだった。

 同時に発表した17年10〜12月期の連結営業利益の速報値は、前年同期比64%増の15兆1000億ウォン。四半期ベースでも過去最高益を更新した。17年通期と同10〜12月期の純利益や事業部門別収益は今月下旬に発表予定の確報値で公表する。

 サムスンの通期の営業利益は、これまで13年12月期の36兆8000億ウォンが最高だった。韓国の証券アナリストの推定では、データセンターやスマホの記憶媒体に使うメモリーを主体とする半導体部門が17年10〜12月期だけで10兆ウォン程度の営業利益を稼いだもよう。17年通期では16年実績の2倍を超える34兆ウォン程度だったとみられる。

 もっとも、韓国市場では17年10〜12月期について、速報値よりも数千億ウォンから1兆ウォン多い営業利益を予想するアナリストが少なくなかった。昨秋以降、外国為替相場でウォン高が進み利益が目減りしたほか、メモリー事業部に推定4000億ウォン規模の特別賞与を昨年12月に支給したことが影響したとみられる。

 サムスンの速報値の発表を受け、9日の韓国取引所では同社株が一時、前日終値を2%下回る254万6000ウォンまで下落した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25441710Z00C18A1MM0000/