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2018年1月1日 / 01:58 / 1時間前更新
青野慶久 サイボウズ社長

[東京 1日] - 働き方改革の実現は、「経営者の力量ひとつ」で決まると、サイボウズの青野慶久社長は強調する。改革を実行しようとしない中間管理職がいた場合、「思い切って人を変える勇気」を持たなければ、変革は浸透しない。取引先との関係でも、残業が必要になるような依頼は「断って構わない」と経営者が言明することで、残業の「負の連鎖」を断ち切れると言う。経営者が腹を括って多様な働き方を認める改革を実行しなければ、採用力や社員の定着率が低下し、その企業はいずれ縮小の方向に向かうと警告する。

同氏の見解は以下の通り。

<サイボウズの働き方改革>

政府が「働き方改革」を打ち出したこともあり、2006年からそうした改革に取り組んできた当社もアドバイスを求められることが多くなっている。

以前は私も、持てる能力と時間の限界までチャレンジするのがベンチャー企業だと考えていた。社員も平日は終電まで働く人が多く、夜10時を過ぎても半数程度の社員が会社に残っていた。だが社長に就任した2005年に、考えを改めた。こうした労働環境が一因で離職率が28%に達し、社員が楽しそうに働いていないことは大問題だと感じるようになったからだ。そこで、2007年に残業の有無を選択できる人事制度を導入。現在では、働く時間の長短に加え、働く場所についても選択肢を設けて、全9種類の中から働き方を自由に選べるようにした。

多様な働き方が可能になったことで、離職率は4.73%まで低下した。こうした人事制度も武器となって採用力は着実に上がり、いい人材が集まるようになっている。業績は当初横ばいだったものの、その後順調に伸び、働き方改革の成果が数字の上でも表れてきていると感じている。

<すべては経営者の力量>

こういう話をすると、「創業メンバーの社長で、社員500人だから可能なんだ」、と言う人がいるが、それは違う。社員10万人の会社でも、私に社長をやらせてくれるなら実現できる。すべて経営者の力量ひとつだ。
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