0001ノチラ ★
2017/12/21(木) 06:30:56.02ID:CAP_USERMozillaは同組織のマニュフェストにおいて「インターネットにおける個人のセキュリティとプライバシーは必須のものであり、オプションとして扱われるべきではありません」と述べている。そのMozillaが、ユーザーによって管理されるべき拡張機能の追加を、ユーザーの許可を得ずに行っていた。そうしたことが起こらないのがFirefoxであり、だからFirefoxを選んでいるユーザーは多い……そんな反応がLooking Glassに驚いたFirefoxユーザーの間から瞬く間に広がった。Redditで「What is Looking Glass」という投稿のスレッドが瞬く間に伸び、Hacker Newsで「Unknown Mozilla dev addon "Looking Glass 1.0.3" on browser... or is it just malware?」というサポートフォーラム・ページへのリンクが上位に食い込んだ。
https://news.mynavi.jp/article/svalley-736/images/001.jpg
そもそもLooking Glassは何を目的とした拡張機能かというと、人気ドラマ「Mr. Robot」とFirefoxのコラボレーションによる代替現実ゲーム (ARG: Alternate Reality Game)のための拡張機能だ。有効にすると、「fsociety」「robot」などMr. Robotに関連した単語がひっくり返って表示され、いくつかのサイトでhttpヘッダが表示されるなど、ドラマと連動した表示になり、目の前のブラウザでARGを楽しめる。ドラマだからエンターテインメント性は強いが、「Mr. Robot」はオンライン・セキュリティとプライバシーの問題に正面から取り組んでいる作品であり、Mozillaとしては、Mr. Robotとのコラボレーションを通じて、セキュリティとプライバシーに関する同団体の主張を伝える機会になると考えた。
Looking Glassは、全てのユーザーに追加されたわけではない。新しいアイディアや機能を一部のユーザーから先に試してもらうSHIELDプロジェクトを通じて提供された。また、Looking Glassがブラウザに追加しただけではユーザーの環境に一切の変更はなく、代替現実ゲームでユーザーが使用をオプトインして初めてLooking Glassは機能する。
それなら予めLooking Glassを送り込む必要はなかったように思うが、流れるような一連の体験を実現するためにサイレントインストールを行った。ユーザーがARGに興味を持った時に拡張機能の追加を求めるダイヤログが表示されると興ざめになる。「楽しくユニークな方法でユーザーと関われるように、Mr. Robotと共に体験をカスタマイズした」とMozillaは説明している。ミステリー色を演出しようとしたのか、Looking Glassについてしっかりと告知せずに配布を開始し、また説明欄に「MY REALITY IS JUST DIFFERENT FROM YOURS」というマルウエアを思わせるような怪しい文言を記述したのみで配布したのもユーザーの不安を煽る結果になってしまった。
騒動を経て、MozillaはすぐにインストールしたLooking Glassを削除し、そしてLooking GlassをFirefox Add-onsストアに移した。またバージョン1.0.4で、ドラマとのコラボレーションに関する説明を加えている。
https://news.mynavi.jp/article/svalley-736/