理論性能で謳っている、倍精度浮動小数点数で4.1TFLOPS、単精度浮動小数点数で
8.2TFLOPSという性能は、あくまで机上での計算。 「ピーク性能」というのが、
詐欺の肝。 おそらく、公表している130Wという消費電力もフルに演算させている
状態ではなくアイドル状態に近い状態の消費電力だろう。 最大で130W程度に収まる
のが本当なら、わざわざ液侵冷却するまでもないからだ。

これも詐欺師の演出だろう。 ちなみに、フロリナートは、スリーエムが以前から
製造している冷却材の商品名。 CRAY-2でも使っており、PEZYの独自技術でも
なんでもない。

倍精度浮動小数点(64bit=8バイト)データの演算で、片方の演算値をレジスタに保持
するにしても、コンスタントに1TFLOPSの性能を出すには、命令フェッチサイクル
を除いて、データバスの転送速度は16TB/sec以上必要。

PEZYのモジュールが使っている外部メモリのDDR4 のデータ転送速度は、DIMM1枚
あたり25GB/sec、4チャンネルでも100GB/secしかない。 これを、2000個のコア
で共有してアクセスするので、コアあたりのメモリ転送速度は、理論上の最大値でも
たった50MB/secと、一昔前のPATA HDD(ATA66)並み以下の速度しか出ない。

キャッシュに収まらない大きなデータを扱うベンチマークでは、おそらく倍精度浮動
小数点数で0.000012TFLOPS、単精度浮動小数点数で0.000025TFLOPS程度のおよそ
スパコンとは呼べない超劇遅性能になるはず。