0001ノチラ ★
2017/11/22(水) 21:35:04.16ID:CAP_USER今年5月にプログラマー向けの技術情報共有サービス「Qiita(キータ)」を運営するインクリメンツを経て、今年6月に独立。現在は、国内人材紹介大手のクライス&カンパニーの顧問に就任し、CTO・IT技術人材の採用支援や組織変革活動に力を入れている。そんな及川さんに、「日本のITをどう見ているのか」という観点から話をお聞きした。
日本のIT産業はどこが残念なのか?
――組織変革やIT活用という面で、しばしば「残念」と評価されてしまうこともある日本のIT産業ですが、いわゆる外資大手IT企業での経験を積んできた及川さんはどう見ていますか?
本来、日本はエンジニアのレベルが基本的には高い。わかりやすいところで言えば、グーグルは東京にエンジニアリングの部隊を200〜300人規模で持っています。一般的に、外資企業は一般的にローカル採用とグローバル採用を分けていて、前者の場合、ある国で採用されても、本国で採用されたわけではないので異動できない、ということがあるんですね。
しかしグーグルの場合、私の知る限りすべてグローバル採用で、採用基準がとても高い。その基準を満たす人材はどこにでもいるわけではないことを考えると、日本の優秀なエンジニアの多さを証明していますよね。もちろん、グーグルの採用基準が最高だというわけではなく、たとえばスタートアップであればまた違う基準があるべきだと思いますが。
いずれにせよ「迅速に対応できる」「プロダクト指向が強い」「フルスタックである」といった、さまざまな基準を満たした優秀な人材が日本にはいる。しかし、産業全体で見ると、なぜか競争力がなかったり、彼らが生き生きと活躍できているように見えなかったりします。その原因の1つが「組織力」だと、僕は考えます。
――エンジニアというと、個人単位で能力を発揮するというイメージもありますが。
いわゆる管理職――僕個人はこの言葉自体はあまり好きではありませんが――の問題も大きいのです。組織にはエンジニアの成長を促すような文化や仕組みがあるべきです。これをわかりやすく言えば、「エンジニアを正しく評価できるような人が、上長になっていますか?」ということ。
そのための組織の作り方はさまざまです。事業会社なら、事業責任者のもとに、エンジニアリングやマーケティング、セールス部門がぶら下がることが多いでしょう。その間をミドルマネージャーが取り仕切ることになります。では、この人たちがエンジニアに尊敬される存在で、彼らの育成も含めた評価ができるかといえば、残念ながら必ずしもそうではない。こういった場合、このポジションに優秀な人を置くだけで、組織が生まれ変わることもあります。
自分のキャリアを振り返ると、マイクロソフトもグーグルもこのミドルマネージャーに優秀な人が非常に多かったのです。全員とは言いませんが(笑)。たとえば、グーグルはエンジニア力が高いと評されていて、それは正しい。一方で、それを支えるエンジニアリングマネージャーの存在も大きいのです。ミドルマネージャーが優秀だと、チームの生産性は劇的に上がります。このマネジメント力を日本でも強化していく必要があると思います。
日本で残念なのは、エンジニアが「管理職に就きたくない」と考えていることです。管理職には、一度なってしまうと技術的なことはできず、ずっとお金の計算をして、営業との板挟みになってしまう……といったイメージが定着しているんですね。でも、本当にそうでしょうか? たとえば、エンジニアが「自分はUIが得意だ」「データベースなら誰にも負けない」と自負するのと同じように、「私は人とのコミュニケーションが得意で、説得などの場面で実力を発揮できる」という人がもっといるべきなんです。本当はリーダーシップやマネジメントに長けているにも関わらず、それがなんだかかっこ悪い、という風に捉えている人が多い。
――管理職をキャリアの終着点のように捉えているエンジニアが多く、そこに就きたい人の少なさに悩む企業の話は耳にします。いわゆる「プログラマー35歳限界説」と関わる問題でもありますよね。
でも、必ずしもそうじゃないはずなんです。技術に優れ、マネジメントの素養もある人が管理職に就かなければ、ITの本当の実力は組織・会社において発揮されません。だから、優秀なミドルマネージャー人材を、もっと発掘していかねばならないと考えています。
以下ソース
http://hrnabi.com/2017/11/22/15669/