>>319
ネトウヨの認識はおよそあらゆる分野で10年から20年位前で止まってて、それ以降更新されてないからなあ。



1980年に日本で初めて縮小投影型露光装置を製品化したのがニコンだった。以後20年間、ニコンは露光装置市場のシェアトップに君臨、
90年代末には50%以上の世界シェアを獲得していた。ニコンが半導体産業の成長を牽引してきたと言っても過言ではない。それだけニコンの存在感は大きく、
97年から4年間社長を務めた吉田庄一郎氏は現場トップとして露光装置開発を主導したこともあり、業界団体の要職を歴任。現社長の牛田一雄氏も
日本半導体製造装置協会の会長を務めている。

また、ニコンでは吉田氏以降、現会長の木村真琴氏を除いて、5人中4人の社長が、露光装置を扱う精機事業のトップを経験している。
世間的にはカメラの会社だが、社内的には露光装置の会社という見方ができる。そのニコンが露光装置事業を縮小する意味は大きい。

さらに強力な競合の存在もある。2000年代初頭から台頭してきた蘭ASMLだ。ASMLは現在の最先端のArF液浸露光技術をいち早く実用化したことや高い生産性などを強みに、
ニコンやキヤノンから一気にシェアを奪っていった。現在はASMLが80%のシェアを獲得している状況にある。

これまでニコンでは販売台数増加による収益改善を目指してきた。しかし、思うように受注が伸びず、「(ASMLとの)規模の差から生じる競争力の差はもはや挽回不能」
(岡昌志・副社長兼CFO)と実質的な敗北宣言を行う結果となった。

しかし露光装置という半導体生産の心臓部の花形領域で、ニコンが最先端の開発競争から撤退することは、一企業の一事業が縮小する以上の意味を持ち、
そのまま日本の技術力の低下を如実に示している。