北朝鮮に国境を接する中国の町が、人気の観光地になっている。北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射を強行する中、観光客は中国側に向けて掲げられた故金日成主席と故金正日総書記の写真に見入り、「生の北朝鮮」に興味津々だ。

 「おー、北朝鮮人だ」。国境を流れる鴨緑江に「中朝友誼橋」が架かる遼寧省丹東市。対岸に人が姿を現すと、中国人客であふれる観光船にどよめきが上がる。川で漁をする北朝鮮漁船を見つけると一斉にシャッターを切った。国連制裁にもかかわらず、国境近くの市場では「北朝鮮産」と掲げた魚が依然出回る。

 観光客の中には、小舟で岸のぎりぎりまで近づく人も。だが銃を持ち警備する北朝鮮兵士も慣れたもの。笑顔で金を要求するしぐさをすると、観光客が小額紙幣を丸めて投げ渡した。

 朝鮮民族の聖地とされ、山頂から美しいカルデラ湖が望める長白山(2750メートル)も大人気だ。ただ度重なる核実験による地震が長白山の火山活動に影響を与える可能性が指摘される。(共同)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/171012/mcb1710121740033-n1.htm