11日、英オックスフォードで行なわれたイベントに登場したAppleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、「Apple製品が使われすぎるのは好きではない」と、Apple製品に関する独自の理念を語りました。
ティム・クックCEOが語るiPhoneの理想の使われ方
英オックスフォード大学初となる、スタートアップ企業の拠点であるスタートアップ・ハブOxford Foundryの開館式にティム・クックCEOが登場しました。

オープニングスピーチのなかで、クック氏は、
拡張現実(AR)は、非常に適用範囲が広く、教育、商品販売、エンターテインメント、スポーツなどあらゆる分野で役に立つ。

とARの未来の可能性について述べました。

クック氏は続けて、
ARの良いところは、ユーザーが隔離されないことにある。

とARの利点を述べたあと、
Apple製品が使われ過ぎるのは好きではない。Apple製品が人々の思考を拡大するのが好ましい。ARは人々のつながりを広げるのに役立つと思う。

と、iPhoneを含むApple製品の使われ方に関して独自の理念を語りました。Appleデザイナーのジョナサン・アイブ氏が語った「iPhoneの間違った使い方」と意見は一致しているようです。
ARとVRの違いとは?
一方でクック氏は仮想現実(VR)については、VRの利点については理解しているものの、人とのつながりを支援するARとは真逆の存在だとし、VRよりもARを支持する姿勢を明確にしました。

ARは、デバイスのカメラで取得した映像に対して、コンピュータグラフィックスで生成された物体をかぶせあわせる手法のことをいいます。実際の世界とバーチャルオブジェクトを同時に見ることができるため、ユーザーが外界から隔離されることはありません。

VRは、ヘッドセットなどを用いてコンピュータグラフィックスの世界のなかに完全にユーザーを埋没させる手法のことをいいます。クックCEOは、VRは外界との接触を断絶するため、コミュニケーションの助けにはならないと考えているようです。
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