0001ノチラ ★
2017/09/22(金) 19:01:59.45ID:CAP_USER起業したのは2016年1月でした。実は、当時はまだGMOインターネットを退職しておらず、受付嬢のまま起業しました。二足のわらじを続けたのには理由があります。
ひとつは、お世話になった会社にきちんと責任を果たして去ることが、何よりの礼儀だと考えているからです。もうひとつは、経済的な理由でした。
今までは派遣社員として、働いた分はきちんとお給料がもらえました。しかし、起業してからはなんの保証もありません。自分で資金を調達し、プロダクトを開発し、営業し、お客様からお金をいただかなければ、会社にお金が入ってこないのです。上司と受付のスタッフに事前に相談し、週の半分は起業準備、残りは今まで通り受付業務に携わることになりました。
それから3カ月間は、“文字通り”に渋谷の街を駆け回っていました。ときには昼休みに制服のままアポイントに行き、すきま時間でさえ投資家との面談に時間を割きました。面談が終われば、ダッシュで受付業務に戻る…なんて毎日を繰り返していたので、あの頃が人生の中で最もヒールで走り回った時期だったかもしれません(笑)。
私が目指した受付システム事業には、そのシステムを作り出す「プロダクト開発」が必要になります。私自身が作れたら話は早いですが、プログラミングの経験がない私は誰かにお願いするしかありません。開発を制作会社に依頼するか、エンジニアを雇うか…。どちらにせよ、会社という舟を漕ぎ出すには、“燃料”となる資金が必要でした。
これまで私は派遣社員として就業してきたので、手元に大金があったわけではありません。自分の生活だけでも、すぐに苦しくなるのは目に見えていました。とにかく事業を走らせるためにも資金を集めなくてはいけなかったのです。
ですが、実績のないスタートアップ企業や新サービスに出資してもらおうと思っても、そう容易ではありません。私には受付の経験しかなく、特別なスキルがあるわけでもない。その上、言ってしまえば、親しく付き合いがあるわけではない人に「お金ください」とお願いしに行っているようなもの。ただただ、“当たって砕けろ”の精神で、断られて当たり前だと自分に言い聞かせて投資家に会っていました。
そんな中、この時期に私が一番よく会っていたのは、まだ企業価値の判断がつきにくい状況でも資金を融通して起業を支援してくれる「エンジェル投資家」や「ベンチャーキャピタル」の関係者でした。いくつかのIT企業に勤めていた受付嬢時代の人脈を活かし、彼らにコンタクトを取ったのです。その中でも二人のエンジェル投資家との出会いは、弊社の命運を分けました。
一人目は、IoT(モノのインターネット)ハードウェア開発を手掛けるスタートアップ企業を支援するABBALAb(東京都)で代表を務める小笠原治さん。面識がある程度でしたが、私から「起業したので、一度ご相談のお時間をください!」とFacebook経由で連絡しました。
小笠原さんから時間をもらうと、まだまだ未熟な事業計画を持ってすぐに会いに行きました。私は自分の想いと実現したい世界、そしてその方法について一生懸命伝えました。投資家の方にプレゼンするときは、冬なのにいつも汗だくでした(笑)。
毎日たくさんの投資家の方に時間をもらいましたが、小笠原さんは唯一、その場で出資を決めてくださいました。まさに“エンジェル”です!
小笠原さんには「事業目的に共感できるし、受付業務の課題を解決する方法も分かりやすくていいんじゃない?」と、背中を押してもらえました。そんな小笠原さんには現在、弊社の社外取締役に就いていただき、経営や事業の相談を受けてもらっています。
もう一人は楽天の元副社長で、現在はU‐NEXT副社長を務める島田亨さん。エンジェル投資家として長く活躍している島田さんとは、顔見知りではありましたが個人的に連絡を取ったことはありませんでした。ところが、そんな島田さんからは、逆に声を掛けてもらえたんです。エンジェル投資家同士のネットワークかなにかで、私が起業したことを耳にしたそうです。
島田さんからは、もっと詰めなければいけないポイントを指摘されました。それを「宿題」として、出資の検討は次回の面談に持ち越されることになりました。
以下ソース
http://www.sankeibiz.jp/images/news/170825/cpd1708250700001-p1.jpg
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/170922/cpd1709220700001-n1.htm