オンライン小売りで不動の地位を築いているAmazonが、アメリカ国内に第二本社「HQ2」を設立する計画を発表し、各都市からの立候補を受け付けています。

Amazonがサイト上で特設ページを設けてHQ2の建設を発表しています。HQ2の建設にあたり、Amazonは今後10年から15年で50億ドル(約5400億円)規模の建設予算と、年収1000万円超えクラスの正社員を5万人雇用する見通しのほか、関連する事業などで数万人規模の雇用と多くの経済効果をもたらすと予測しています。

Amazonの本社があるシアトルには、Amazonにより多くの雇用や経済効果がもたらされているとのこと。Amazonの建物として33個のビルが存在し、4万人以上の雇用、建物とインフラに対する37億ドル(約4000億円)の投資、業務に伴う14億ドル(約1500億円)の消費、年間23万3000人がAmazon本社を訪れるために生ずるホテル需要などが直接的要因として挙げられています。

また、Amazonの投資により5万3000人の雇用が波及的に生じ、380億ドル(約4兆円)の間接的投資と170億ドル(約1兆8400億円)の賃金上昇が発生しているとしています。また、優良企業のランキングである「フォーチュン500」にリストアップされる企業のうち、シアトルに研究開発部門を持つ企業の数は、2010年から2016年の間で7社から31社に増加したとのこと。

HQ2の候補地となる都市について、Amazonは以下の点を重要視すると(PDF)発表しています。

・人口100万人規模の大都市であること
・安定しており、ビジネスを受け入れる環境のあること
・技術的な才能を持つ人物を惹きつけて働きたい気持ちにさせる都市部または郊外を持つこと
・用地取得と居住地への対応について、野心的でクリエイティブな地元コミュニティがあること

また、必須ではないものの、以下の要件を満たすことが望ましいとされています。

・都市型、または商業地に拠点を置けること
・Amazonのシアトル本社に似たレイアウトが行えること
・土地開発が前提となる場所があること。Amazonが望む時間軸での進捗を損なうことなく、当局や地元コミュニティが不動産の話し合いについて生産的に対応してもらえること

また、多くの人が勤務するにあたり、候補となる地域には公共交通機関の充実が求められることになりそう。そして何より、Amazonでは多くの優秀な人材が集まっていることを期待しており、その意味で大卒者の比率が高い地域を重視しているとも。人口100万以上の都市はアメリカ国内で55都市が数えられますが、大卒者の比率が3分の1を超える都市でフィルタリングすると、ニューヨークやロサンゼルス、シカゴ、フィラデルフィア、アトランタなど26都市に絞り込まれることになるとのこと。

AmazonはHQ2について、2018年内の稼働開始を目指しています。
http://gigazine.net/news/20170911-amazon-second-headquarters/