【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】Xbox One X搭載チップ「Scorpio Engine」の詳細が明らかに - PC Watch
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後藤 弘茂 (Hiroshige Goto)2017年8月28日 14:07

Scorpio Engineのベールがはがされた
 米Microsoftは、11月7日に発売する次世代ゲーム機「Xbox One X (Project Scorpio)」の技術概要を明らかにした。

 Xbox One Xの中核となるSoC (System on a Chip)は「Scorpio Engine(スコーピオエンジン)」。Xbox Oneと同様にAMDアーキテクチャで、Xbox One同様にアーキテクチャ的にはPS4系と似通う。PlayStation 4(PS4) Proと同世代で、より高性能となる。

Scorpioの技術概要を発表
 米クパチーノで8月20〜22日に開催された半導体チップカンファレンス「Hot Chips 29」で、MicrosoftはScorpio Engineの概要を発表した。

 ScorpioはMicrosoftの内部コードネームだったが、正式にチップの名称となったという。MicrosoftのJohn Sell氏(Distinguished Engineer,Microsoft)によると、「Scorpioの開発にあたって最も重要なゴールは、真の4Kゲーミングパフォーマンスを達成すること」だったと説明する。それに合わせて、GPU性能やメモリ帯域などすべてが決められたという。
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 チップのトランジスタ数は70億、これはNVIDIAの「GeForce GTX 1080 (GP104)」に匹敵する。チップのダイサイズは359平方mmで、これは初代Xbox Oneの363平方mmとほぼ同じ。

 プロセス技術はTSMCの16nm FinFET 3Dトランジスタテクノロジ「16++」。CPUコアとGPUコアはどちらも、AMDアーキテクチャのXbox One X向け専用カスタムコアとなっている。

(中略)

3倍以上に大型化したGPUコア
 GPUのアーキテクチャは、AMDのGCN (Graphics Core Next)系。これは、従来のXbox OneやPS4と同様だ。世代はGCN4と、AMDのPolaris (Radeon RX 4xx)GPU相当となっている。

 GPUのCU数は、初代Xbox Oneの12ユニットから、Xbox One Xでは40ユニットへと3倍以上に増えた。加えて、GPUコアの動作周波数も、853MHzから1,172MHzへと37%上がっている。

 各CUは、それぞれFP32(32-bit浮動小数点)積和算ユニットを64個備えている。そのため、64 FMAD×40 CUs×1,172MHzで、演算性能は6TFLOPSに達する。CU内のテクスチャユニット数も同様に増えているため、テクスチャ処理の性能であるテクセルレイトも、187.5G bilinear texels/sになっている。
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 6TFLOPSというXbox One Xの演算性能は、Xbox One (1.3TFLOPS)の4.6倍で、16nmプロセスのXbox One S(1.4TFLOPS)の4.3倍。テクセルレイトも同様だ。ちなみに、PS4 Proは4.2TFLOPSだ。

 Scorpioでは、4つのシェーダアレイそれぞれに、ジオメトリの固定処理を行なうジオメトリエンジンが1ユニット備えられている。独立した4つのグラフィックスアレイを持っているような構造だ。

 ジオメトリエンジンの数はXbox Oneの2倍となり、ジオメトリパイプラインの処理能力は4.688G primitives/sと2.6倍になった。

(続きはソースで)