2017/7/4 19:25
麻生太郎金融担当相は4日の閣議後の記者会見で、長崎県で予定している十八銀行と親和銀行の合併について「顧客の利便が損なわれる、著しく不便になる等々の話が起こるかもしれない」と述べた。
公正取引委員会は、統合で長崎県内での貸し出しシェアが高くなることを指摘している。シェアを引き下げる調整策として両行は債権の一部を他行に移す「債権譲渡」を検討中。それに対する長崎県の企業の不安を代弁した。
親和銀行の親会社ふくおかフィナンシャルグループと十八銀は10月に経営統合する計画を発表したが公取委との調整が間に合わず、今年4月に続き再延期する見通しとなった。それに関連した質問で金融相が所管外の公取の判断に口を挟むのは異例のことだ。
金融相は「経営環境は厳しく、支店などが閉鎖されれば、地域の利便性を欠くことになる」と指摘。そもそも両行は経営統合を進めないと生き残りは難しいとの認識を示した。債権譲渡は顧客の企業が、銀行の都合で別の銀行に移されてしまう“奇策”。仕方が無いとはいえ、両行に対し顧客へ丁寧に説明するよう暗に求めた。