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日本銀行の超金融緩和策で余剰資金が流入し、活況を呈してきた不動産市場に陰りが見えている。投資用不動産の取引やマンション販売は頭打ち。金融当局が不動産への過剰融資を警戒する姿勢を示し始め、銀行が融資に慎重になるとの見方も浮上している。大都市圏の不動産ブームは終わりに近づきつつある。

訪日観光客の急増や2020年東京五輪を控えて、高級専門店やホテルの出店が相次ぐ銀座。4丁目の地価は今年、バブル期を3割超え過去最高となった。ただ、当地で創業100年の不動産会社、小寺商店の児玉裕社長は「もういいところ限界だなというところには来ている」と話す。不動産業界では「五輪まではもたない」との見立てだとし、「19年には潮目が変わり、緩やかに下降曲線になるだろう」と予想する。

児玉社長は、その背景について「採算が取れないくらいの価格になっている」ことがあり、価格の上昇ペースは既に鈍化しつつあるという。森トラスト総合リート投資法人は約2年間、新規の不動産投資をしていない。運用する森トラストアセット・マネジメントの堀野郷社長は、「賃料伸び悩みなどファンダメンタルズの向上が望みにくい」として、「今から注意していた方が崖が低くなって良い」と話す。

教職員共済生活協同組合の資産運用部長の樋口徹氏は、現状を「デフレの中での局地的バブル」とみる。日銀の金融緩和や財政出動を通じても十分な需要創出を実現できていない中、「不動産価格の上昇という副作用が生まれた。この値上がりは長続きはしないだろう」と述べた。
以下ソース
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-06/OQJU1J6JIJUR01